句会用選句作品
2025年4月 作品 暦日下町
孝男 一幹 麻紗 篤樹 純栄 恵美子 佐恵子 富美子 龍之介 一穂
1.
いつの間に昭和百年春の雪
2.
うららかや飴屋の指に鳩うまれ
3.
お社で記念撮影花の昼
4.
ごうごうと芽吹く銀杏や墓地の空
5.
一途なる花の命を傷みけり
6.
一片を玻璃に名残りの花吹雪
7.
燕来る川浪荒き日なりけり
8.
遠足のおむすびはおふくろの味
9.
遠足のリュックの匂ひどれも同じ
10.
遠足の黄色の帽子手を上げて
11.
遠足の子らに出会ひし飛鳥寺
12.
遠足の弁当にぎやか桜舞ふ
13.
遠足の弁当へ鳶急降下
14.
花辛夷こころの白さ問はれしか
15.
鬼平の架けし大橋花の雲
16.
熊出たと防災無線青き踏む
17.
江ノ電の車窓に春の水平線
18.
降り癖の花の雨なる西の京
19.
三椏は鈍き日差しに黄をかえし
20.
寺で逢ふ笑顔まぶしき桜人
21.
春の雨膝に暦日終刊号
22.
春めくやカルピス色の走り雲
23. (空欄)
24.
春光をくるり巻き込む鉄の屑
25.
春愁や生きることにも戸惑ひて
26.
春深し風の詩を聴く散歩道
27.
初音聞く村への道は工事中
28.
初桜ざらつく髪をととのへて
29.
生り年や萼の鳶色豊後梅散る
30.
青春を甦さする春の風
31.
打ち寄せしハングル文字や春渚
32.
待花や鳥影薄き里の春
33.
苔の上に紅一点の落椿
34.
長瀞の渦に巻かるる花筏
35.
鳥雲に混沌の世を小さくして
36.
椿落つ苔むす道の水源地
37.
踏切のレールの隙間はこべ咲く
38.
縄文の野に遠足の手弁当
39.
能管の一声春の能舞台
40.
彼岸の帰路夫の生地を歩きけり
41.
毘沙門へ極楽橋や青葉光
42.
未来にも未来ありきか鳥曇り
43.
野は既にパッチワークの花筵
44.
旅先の雪にとまどふ四月入り
45.
路地伝ひ花の奥なる毘沙門堂
46.
涅槃西風羽衣を舞ふ能舞台
選句 6句
(普通選 5句+特選 1句)
*選句は番号のみで
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